#16 "今"ってナンナンダ?
街のバイク 日中の猛暑 突然のスコール
東南アジアを表わす3点セットと言っても過言ではないだろう。
朝から暑い
そう思いながら次の目的地、カンボジアの首都プノンペン行きのバスに乗った。
ベトナム・ホーチミンからカンボジア・プノンペンまでの所要時間はたったの8時間。たったの。
25時間バス移動を経験した小生にとっては短すぎてチケットカウンターで
" 18時間の間違いだろ?"と問うたが確かに8時間であった。
2時間が経ちイミグレーションに到着した。
入国審査は無いに等しかくバス内で乗客全員のパスポートを集めてあとは顔パス。
ザルすぎると言うかビザに顔写真が無い(笑)
陸路はいつだってバックパッカーの味方だ
国境を越えカンボジアに入国したが、明らかに他の東南アジアとは雰囲気が違う。
街には多くの学校があり年老いた人が居ない。
そして舗装されていない道路の脇には牛が放牧されている。
横を走る車はレクサスやレンジローバー。
そして豪華なビルの完成予想図の説明は中国語で書かれている。
カンボジアの歴史や経済状況や展望については他のどの国よりも時間を割いて調べた。
だから街に若者が多いのも知っている。
40年前の話だ
ポル・ポトは平等になるには原始時代のような生活が必要で要人以外に”知識”は必要ないと考えた。
逆らう者はその時点で命を失い
都市部に住む人を農村に強制送還し無茶な労働を指示し知識をもつ人間に対して"国の発展の為に力を貸して欲しい"と誘き寄せ殺した。
メガネを掛けている 海外に行った事がある 端正な顔立ち の人は全て"知識人"とされ殺された。
思考のある大人は徹底的に殺され残った子供は完全に洗脳された。
その子供達は少年兵士となりポル・ポトを崇拝し例え肉親であろうが銃を放つ。狂気の沙汰。
医者など存在せず、何の知識もない子供が医者になったと言う。
そして鎖国状態になってそのような情報が一切国外に漏れることは無かった。
この様な信じられない様な過去の悲惨な歴史がこの国にはある。
その過去から急成長する今の姿を見たかった。
カンボジアの平均年齢は24歳。
この数字が過去の歴史全てを物語っている。日本は46歳だ。
タイ ベトナム ラオスも確かに若者は多かった。しかしカンボジアは顕著だ。
巨大なバンに子供がイナバ物置100人乗ってもダイジョーブ!状態で下校している光景には度肝抜かれた。しかもただの1台ではない5台以上だ。
食堂や市場で働く人々も小生と同世代もしくは若いだろうと思う。
宿で仲良くなった友人のオススメの中華料理屋に出向いたがその熱気に圧倒された。
あのザワついは今まで経験した事がないものでまるで映画のワンシーンのようだった。
大量虐殺の"過去" から立ち上がり急成長する" 今" そして繁栄する"未来"
小生はカンボジアの"今"に立ち会っている様に思えた。
それは小生自身も一緒だった。
過去を振り返るのと未来を想像することは多いかもしれないが"今"自分が何を求めていて実際にやっている事が正しいのか?有益なのか?と
自分の現在地を正しく理解するのは難しい。
社会に出て何を目指せば何を頑張ればいいのか分からぬまま5年が経っていた。
学校の先生がよく言う"今を大事にしなさい"
パリピがよくいう"ノリと勢い"
あながち間違ってないと思う。
今頑張らなければ未来は作れないし振り返る過去もない。
結局今アクションを起こさなければ成功も失敗も無いからとりあえずノリと勢いで行っとけよ
ただしノリと勢いを召喚できるのは圧倒的な準備とプランを練った上で流れに身を任せろ。
ビビりながらビクビクしながら前に進むか
ビビって扉を閉めるか。
ビビりながら前進する俺選手 頑張れ。
実はこの東南アジアシリーズのゴールは10年後
現在伸び盛りの東南アジアが今とどれだけ変わったか街の発達から雰囲気まで
10年後また東南アジアを回って確かめたい。どうかそれまで平和で熱気ある東南アジアであって欲しいなこの解放的で人間丸出しみたいな雰囲気が大好きだ。
バモス!